ほんとうはすべて知っていた。心の底流(undercurrent)が導く結末を。
夫が失踪し、家業の銭湯も手につかず、途方に暮れる女。
やがて銭湯を再開した女を、目立たず語らずひっそりと支える男。
穏やかな日々の底で悲劇と喜劇が交差し、出会って離れる人間の、充実感と喪失感が深く流れる。
映画一本よりなお深い、至福の漫画体験を約束します。
「今、最も読まれるべき漫画はこれだ! すでに四季賞受賞作で確信していたその物語性と演出力に驚く。豊田徹也は心の底流に潜む、なにかの正体を求めるように静かに語る。」──(谷口ジロー)
茨城県出身。
アフタヌーン四季賞2003夏のコンテストで大賞受賞(作品名は『ゴーグル』)。
アフタヌーン2004年10月号から『アンダーカレント』を連載開始、単行本は2005年11月に発売された。
同作は2009年のJapan Expoで第3回ACBDアジア賞を受賞、2020年にフランスの放送局が選ぶ「2000年以降絶対に読むべき漫画100選」で3位に入る。
単行本は他に「珈琲時間」「ゴーグル」(いずれも講談社刊)。
漆原友紀「蟲師 外譚集」(講談社)に読み切り『影踏み』を寄稿。