アフタヌーン公式サイト - 講談社の青年漫画誌

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2024年冬のコンテスト最終選考結果発表!
総評

選考委員:藤島康介先生総評『トップウGP』『ああっ女神さまっ』『逮捕しちゃうぞ』

今年もレベルの高い作品が非常に多かったです。ちゃんと話として面白い作品が多く、楽しみながら読ませていただきました。そういった作品をしっかり完成させるということはなかなかできることではありません。描きたいもの、伝えたいことはすでに備えているので、次のステップはいかにして内容を読者に伝えるかという所ではないでしょうか。せっかくですから伝え方にはどうか切実になっていただきたいですね。とても面倒ですが、そこへの労力は惜しみなく注いでほしいと思います。絵が伝わりにくいなどあると、話の説得力が損なわれるということがままありますので頑張ってください!


編集長総評

今回大賞を受賞した『寡黙な女子校バトン部』(東海林あお氏)は純朴な作品です。題名通り寡黙な女子高生ふたりきりになった女子校バトン部の物語です。主人公の宇城しのびちゃんの好物は、ひじきと肉じゃがだというのですから本当に純朴です。そんなしのびちゃんと竪石先輩がものすごく一生懸命練習してバトンを生徒の前で披露する、本当にただそれだけの作品なんです。それなのに、最大級に心揺さぶられます! 久々に真っ向から現れた青春感動作です! ただひたむきに一生懸命なひとを描ける才能は実のところかけがえがなく、その才能だけでマンガ家として超有望だと太鼓判を押せます。

四季大賞

賞金100万円

Wacom Intuos Pro Medium

『寡黙な女子校バトン部』

東海林あお(東京都・30歳)

WEBで読む! WEB未公開
あらすじ

3年が引退し、部員が2年の冬香と1年の忍だけになったバトン部。大会に出場するには4名以上の部員が必要で、廃部の可能性も浮上。口下手で人と話すことが苦手…でもバトンへの熱い情熱を持った2人が部の存続のため、行動を起こす!

藤島康介氏のコメント

シンプルな絵柄ながら、バトンの動きや気持ちが伝わってきてとても好きでした。話としてもこれからの成長を予感させる展開で読後感が素晴らしい。読み切りとしての完成度が今回最も高かった作品だと思います。今後のご活躍に期待してあえて言うならば、出来れば一番盛り上がるところで印象的な大きな絵があったら最高でした。アングルや構図を色々と工夫していく楽しさを感じられるようになると、絵がうんと面白くなると思います。

受賞者のコメント

まずは学生時代バトン部に誘ってくれた友人と大好きだった先輩達に感謝したいです…! 忍と堅石先輩も、私と一緒に頑張ってくれてありがとう! でも、皆の魅力はまだまだこんなもんじゃないって伝えるための漫画力、磨いていきます!

藤島康介特別賞

賞金60万円

Wacom Intuos Small ワイヤレス

『楽園の季節』

空坂めまう(東京都・33歳)

WEB未公開 WEBで読む!
夏の灼熱の太陽の下、アヒルボートが浮かぶ池の目の前。退屈を極めた女子高生二人が、溶け滴るアイスを片手にベンチに座って語り合う。たったそれだけの唯一無二の青春。
藤島康介氏のコメント

すごい! ほとんど一歩も動かずにずっとだらだらと会話をしているだけなのに、なんだかすごく青春を感じてしまいました。これで読ませちゃうのがすごいですね。会話の内容も気が利いていて好きです。個人的には最も好きで、こういう漫画もあっていいと思いました。今後は話づくりのバリエーションが広がっていくことを期待します。

受賞者のコメント

名誉ある賞をいただけて大変光栄です。どこかの夏の真ん中で、こんな二人組に笑っていてほしいと思って描きました。読んでいただいた方に、どうか夏の優しい風が届きますように。

四季賞

賞金60万円

Wacom Intuos Small ワイヤレス

『私の幽霊』

田中火蛾

WEB未公開 WEBで読む!
いじめられっ子のさやかは、昔は仲良しだったあゆちゃんに避けられている。寂しい日々を過ごしていたある日、「殺した相手が幽霊になり後ろについてくる」という噂を耳にした――…。
藤島康介氏のコメント

いいホラーでした。そうなりそうなことは分かっていてもちゃんと怖かったです。そして、ホラーなんだけれども主人公にとってはある意味でハッピーエンドだったのが良いと思いました。もっと背景に気を遣ってみると、読みやすくなるのはもちろんのこと、現実との境目が曖昧になるという意味でも効果的だと思います。

受賞者のコメント

本当に嬉しいです。十代の頃、アフタヌーンを読みながら凄いな~と眺めた四季賞で、まさか賞を頂けるなんて夢にも思っていませんでした。これからも楽しく漫画を描いていきたいです。

準 入 選

賞金30万円

『未忘人』

港發(兵庫県・24歳)

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雪山を越え、険しい旅路を経て小さな集落に着く。ここはオヌの夫・ドゥジが亡くなる前に貴重なお仕事のために幾度も訪れた場所。そしてオヌは、まだ悲しみに暮れつつもその代わりとしてやってきたのだ。
藤島康介氏のコメント

個性と癖の溢れる独特の世界とデザイン性で、骨のあるストーリーが描かれているのがとても好きでした。ほぼクリーチャーだけで話を進めていて面白いです。独特な世界なだけに読む方にも体力がいるので、今後はそこをいかにして軽減させるかを練習していくのが良いと思いました。途中回想と現実が切り替わるところが少し考える時間が必要だったので、そこがうまくいくと読みやすくなると思いました。

受賞者のコメント

身に余る光栄を頂き感謝申し上げます。この作品は家族と友人の支えあって描けました。課題と向き合い、これからも精進致します。


『ボクが知らないキミのこと』

弥生れい(東京都)

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転校生がやってきた。白くて、日焼けに弱くて、よくものにぶつかるちょっと抜けた奴。 小学生の太陽は、転校生の「サポート係」を任される。
藤島康介氏のコメント

心温まる話で話づくりがうまいと思いました。困難な状態にある人にとって、希望を得ることは難しいものではあるけれど、それを得られることがどんなに嬉しいことなのかが描かれていて良かったです。結末も純粋に感情移入できました。キャラクターの絵は非常に好感度が高く素晴らしいので、今度は背景の描き込みの精度を意識してみてください。

受賞者のコメント

読了後に穏やかな気持ちになってもらえたら嬉しいです。これからも精進してたくさんたくさん描いていきます!


『タイムクロッキー』

梅山マサ(奈良県)

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美術予備校に通う鈴木は、教室に残されていた昔のクロッキー帳を読み、絵のヒントをつかみ画力が向上する。読み進めるうちに、意外な事実を鈴木は知る。
藤島康介氏のコメント

話の流れがとても好きでした。良いものを読んだなという感覚にしっかりとなれたので、それはとても貴重なことだと思います。途中でタイトルと内容がしっかりとかみ合っているのも良かったです。主人公が感動したという絵が見られなかったことは一つもったいなかったなと思いました。

受賞者のコメント

外出中に結果を知り、早く親に伝えようと冬の夜道を全速力で走りました。肺が痛かったです。本当にありがとうございます!


『辿り着けない星』

坂本遊帆(三重県・25歳)

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絵を描くのが好きな少女・怜衣は、自分が絵に誘った蛍が自分より上手なのを見て描くのをやめた。蛍は怜衣にまた絵を描いてもらうべく一計を案じる。
藤島康介氏のコメント

好きな物を好きで居ることの難しさと簡単さが描かれていて好感が持てます。後半にかけての感情の盛り上がりに見応えがあり、作者の思いが強く伝わる作品でした。また作者の鉛筆の持ち方がそのまま作品にも出ているのが、こちら側とつながっているようで面白かったです。なので最後に出てきた見開きがとても好きです。この作品も願わくば、作中の絵のすごさを出していただけたらよかったと思います。

受賞者のコメント

このような賞をいただけて大変光栄です。さらに読者の皆様に喜んでいただけるような作品を描き続けたいです。

佳作

賞金10万円

『12』

イトウアキ(埼玉県・40歳)

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消えた仲間を捜す「12」は、状況を報告するうちに自分の身に起きたことを知る。
受賞者のコメント

選んで頂きありがとうございます! これを励みに、もっと面白い漫画を描きます。

『芝犬』

山路 一(26歳)

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手入れされた庭にいる謎の生物「芝犬」が見えるコマリは、荒れた庭園がある廃館を探検!
受賞者のコメント

賞を頂けて嬉しく思います。またなにか描きたいです。

『サンダーソニアのしらせ』

よもだなムカゐ(東京都・29歳)

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人類の敵・人面樹を退治するイアンは、孤島で人面樹と共生する少女と出会った。
受賞者のコメント

この度はご評価をいただきありがとうございました。もっと上手く描きたいです。

『玄米とオムライス』

㐂積みちる(韓国・40歳)

WEB未公開 WEBで読む!
元文学少女の3人組。1人が会社を辞め、宮沢賢治作品のように玄米生活を始める。
受賞者のコメント

枠に収められない方々からの恩と導きのお陰だと思います! これからもがんばります!

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