今回は非常に悩ましかったです。「明らかに佳作レベル」というものもが特になかったです。他方、明らかに「これが大賞！」というものもなくて、団子状態の気がしました。応募作全体の年齢が若くなるにつれ、レベルの底上げがなされている印象がしました。あと、今回の投稿作品は同性のロマンスが男女恋愛のストーリーより多くて、テーマの選び方と描き方で時代の変化を感じました。
最も劇的な感情表現は「泣く」です。悲しい時も怒った時も嬉しい時も、情動が激しいと自然と涙がこぼれます。泣く以上に激しい感情表現はないのですから、物語の中でやたらに泣き顔を描くのはうまいやり方ではありません。登場人物の感情が最も大きく動いた時に狙いを定めて、泣かせる。今までわからなかった登場人物の心の奥まで見通せるように涙を描くと、読む者も激しく共感し、一緒に泣いちゃったりします。最も幸福な読書のひと時です。今回大賞を受賞した『ありがとうママ』、作者の海月だもんさんは本当に泣き顔を描くのがうまい！ こんな魅力的な泣き顔は久しぶりに見ました。一緒に泣けました。必見ですのでぜひご覧ください。
男子高校生・青木は小説家になりたいが、母親が反対している。女子高生・佐野は妊娠しているが、彼氏は責任をとらない。人格も事情も真逆で2人はお互いが苦手だが、佐野が脅迫されたら、青木は止めに入らざるを得ない！
もしや高校生活で似たような経験をしたのか？と思わせるほど、作者の年齢に似合わぬ力作だと思います。最後に主人公とヒロインが安易にカップルにならないのもよかったです。高校生のキャラクターの強い感情を全面に押し出していてとても良いのですが、激しい感情を表現する力と、さらにもう一つ静かに表現する力を両方使い分ければ、作家としてより成長するはずです。あとは、テーマの見せ方のバリエーションをつけるため、違う視点を持ったキャラクターを出すのも効果的です。画力の根本的な底上げは時間がかかりますが、「雑に見えない」ようにできるだけ丁寧に描くといいと思います。特にキャラクターのアウトラインと髪は重要です。
この度はとても栄誉な賞を頂きまして沙村先生、編集部の皆様誠にありがとうございます。身に余る光栄です。
非常に気持ちいい読後感の作品でした。思わずウルっとしてしまうシーンもありました。SNSを効果的に使った作品だからこそ、最後までこれを貫いてもよかったかもしれません。主人公が送ったメッセージにすごくたくさんの「いいね」やリプライがつくことで感動させられるような演出が、終盤にも欲しかったですね。高校を舞台にした話ではキャラクターが全員黒髪と制服姿で単調になりやすいので、多様性を意識して華やかな絵作りをした方がいいと思います。
受賞！ ありがとうございます！ 嬉しいと同時に油断しそうで怖いです。受賞はゴールではなくスタートだとわかってますが、心は浮かれてしまいます！ 恐ろしいですね～。
今回の投稿作品の中で、一番ストレートに心情が伝わり、すごくよかったです。読みやすく、可愛いらしい絵が印象的でした。「描きたい部分・言いたい部分」だけを切り取ってシンプルに構成したのが良いところです。この先連載を目指す場合、このシンプルさが逆に物足りないと感じられてしまうかもしれません。次の作品では、画力を向上させつつ、主人公の周りに１人、２人登場人物を配置し、キャラクターのバリエーションを増やしてもいいかと思います。
四季賞をいただけて光栄です。デスメタルの歌はグロテスクで支離滅裂かと思いきや、結構 真理を歌っているのが面白いです。好きなフレーズは「ファッキンマイロードぶち犯すぜ 森羅万象」です。
華奢な印象の人物の絵が凄く良かったです。読みやすく、エンタメ性の高い作品でした。シチュエーション自体に美しさがあるのですが、それをより生かすために見開きなど大きい絵をもっと入れたらより効果的です。主人公が体験した不思議な出来事が、過去すでに何度も繰り返されてきたのだ、ということはもっと強調されても良かったかもしれません。絵はとても達者ですが、擬音の置き方と、風景の雰囲気づくりにもう少し力を入れたら、もっと良くなると思います。
細部までしっかりと読んで貰えるという貴重な経験をさせて頂きました。 今後も読んでもらうための作品作りを意識したいです。
「ブラック企業」と「日本の仕事文化」は本当にいいモチーフとテーマです。絵がとても美しく印象的で、作品の高いポテンシャルを感じました。ただ、全体的に読みづらいところがあります。複数のキャラクターが出ているシーンで、誰が喋っているのか分かりづらいところもありました。キャラクター固有の話し方を工夫したり、フキダシのツノを分かりやすく配置するなどしてみてはどうでしょうか？ 読みやすさを心がけ、描き直したバージョンを読んでみたいです。
主人公の名前は「荒れてる胃袋」の当て字です。今までの経験が活かせました。準入選を頂き、誠に感謝申し上げます。
非常に繊細に作られていて、好感を持ちました。主人公の心理描写的なモノローグに頼るシーンが少し多かったので、「心の声を書かなくても、心情が読者に伝わる」技術を磨くといいですね。分かりやすく男同士の恋愛にするか、とても深い信頼関係の話にするか、どちらかに決めて冒頭からそう描いた方が、読み味がハッキリしたように思います。主人公とヒロインのやり取りはとても丁寧でよかったです。ちゃんとキャラクターのニュアンスが伝わってきます。
丁寧に読んでいただき、本当に感動しました。ありがとうございます！ 更に頑張ります！
個人的にとても好きな話でした。男人魚の絵的なバカバカしさが気に入りました。39ページの作品ですが、少し長いと感じます。小さいコマを意識的に作ることなどして、30ページ以内にできればもっと良かったです。作者のラライヤ佐藤さんは「どうやっても暗くなりすぎない」作家とお見受けしました。仮にイジメのような暗い題材を描写したとしても、カラっといい具合に描けそうです。 全体に漂う飄々とした雰囲気を、無くさないままで成長してほしいです。
この様な賞を頂けてすごく嬉しいです！ ありがとうございます。読んだ後に世界がちょっとでも輝いて見えるような漫画を描けるように、これからも頑張ります！
派手な演出とキャッチーなキャラクターデザインを持った作品です。Mat Blackさんはこのようなイカレた漫画が向いていると思います。セリフは「ドゴミ虫」などのあまり聞いたことない独特な言い回しがあってすごく良かったです。しかし、出てくる全員がテンションが高いノリで、叫びながらしゃべっているのは少し疲れます。半分ぐらいは静かな口調で人の心をえぐってくる…というようなところがあればなおよかったです。作品の圧が全体的に高すぎるので、もっとメリハリがあると良いかと思います。
自分の作品を読んでくださった皆さん、ありがとうございます！ 次はよりダイレクトに皆さんの脳へ面白さをブチ刺せる漫画を描きます！
このような賞をいただきありがとうございました。これからも漫画を描き続けたいと思います。
今までで一番楽しく描けた作品なので、佳作大変嬉しいです。これからも沢山描きます！
漫画家になりたくてずっとそれだけを思っていました。もっともっとおもしろい漫画をコロッケパンをたくさん食べて描きます！
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