選考委員:藤島康介先生総評『トップウGP』『ああっ女神さまっ』『逮捕しちゃうぞ』
今回も意欲的な作品を多数ご投稿いただき、ありがとうございました!
ストーリーがしっかりと組み立てられている作品、作者のやりたいことが明確に伝わってくる作品が多く、どれも面白く読ませていただきました。
中でも画力・ストーリー・構成力ともにずば抜けていた『岸辺の夢』『石読み』の2作品は特に素晴らしく、非常に高い水準の投稿作が2作同時に会するという、とてもハイレベルな回になったかと思います。
一方、対象物をきちんと見て描く、ということや見開きで見た際のコマ割りの工夫など、どの作品・著者にもまだまだ伸びしろはあると思います。
さらなるレベルアップを遂げた作品、そしてまだ見ぬ面白さを持った作品と、今後も四季賞で出会えることを期待しております。
編集長総評
激動の2020年オーラスとなる四季賞冬のコンテストは、類まれな豊作の回となりました。
未曽有の出来事に出くわすと、多くの人が思索を一気に深化させるのかもしれません。それぐらい「凄い!」と思わせる才能に多く巡り合えた今回の四季賞でした。
大変な出来事に直面して、苦労したり疲れたりするのは当然です。ときには入院することだってあるでしょう。一方で、苦労を乗り越えようとする時にこそ人間は鍛えられることもあるのだと実感できたように思います。
大賞受賞の『岸辺の夢』しかり、四季賞受賞の『石読み』しかり。
作者がどんな経験や思索を辿って受賞作に結実させたのか、想像を巡らせつつお読み頂けたら一層楽しんで頂けると思います。