実は、新人賞の選考は初めての経験でした。
まるで雑誌を読んでいる読者のような感覚で、楽しく選考させていただきました。
流行りに囚われず、描きたいことを貫いた作品。大胆なページ使いで描きたい絵を見せた作品。
どの投稿作も、描き手自身の「こうだ！」という強い意思とオリジナリティに溢れていて、非常に読み応えがありました。
これから商業誌で活躍するプロの漫画家を目指す上で、今回の選評も含め、ご自身の作品に対して様々な意見を耳にするはずです。
しかし、何よりも大切なのは「作者自身の伝えたいこと」。
今回の投稿者の皆さんが、これからもそこをブレずに追求した作品を描いてくださることを期待しています。
安野モヨコさんに選考委員をお願いした今回の四季賞、応募作も選考会も熱量の高いものになり、深謝申し上げます。
痛感したのは誰を主人公にするのかという選択の重要性です。極論すると、どんな人間でも主人公になり得ます。
誰にスポットライトを当て、誰の気持ちに寄り添い、誰に最大の汗をかいてもらうのか、その選択によって作者が描きたいことの大部分が決まります。
今までスポットライトが当たらなかった人間に光を当てれば、今までに見たことのない作品が誕生する訳です。
安野モヨコさんの作品を想起してもらえたらおわかり頂けると思います。
大賞受賞作品『他向け花』も新しい人間に光の当たった作品です。ぜひお読みください。
絵が立体的で強く、画面からこちらに向かってくるような迫力があります。人体だけでなく衝撃や空気の描き方も上手い。実際に音が聴こえてくるような感覚になりました。その上で、自分を閉じ込めていた主人公の感情の流れも丁寧に描かれているので、自然と惹き込まれました。絵にもストーリーにも丁寧さと芯の強さがあり、バランスがよく、最後のページの続きが読みたいと思わされた作品です。
賞を頂き、ほんとうに嬉しいです。完璧とは言えませんが、以前の自分ができる限り精一杯を出して描き切れて良かったです。もっと頑張るための原動力になりました。
単純に、投稿作の中で一番好きな作品でした。もちろん実力も素晴らしい！ ネーム、エピソード、キャラクター、リアルさのバランスなど、全てが高いレベルです。あとは、人物のアップの絵に線の粗さが目立つので、綺麗に仕上げることを意識してみてほしいです。
栄えある賞を頂き、身に余る光栄です。また、この厳しい漫画の世界の土俵に立てたことを大変嬉しく存じます。作品に責任を持ち、未熟さ・拙さを克服すべく精進致します。
顔立ちだけじゃなく、体格までキャラクターの性格とマッチしていて、人としての愛らしさをビジュアルで表現できています。バーの店内の些細な描写や、雪の降り積もる美しいラストでは、その場の空気感をキャラクターの感情と合わせて描き出せていて、表現力の高さが目を惹きました。
たくさんたくさん悩みながら描いたので感慨深いです、ありがとうございます！ これからももがきながら、読んでくれた方に何かを感じてもらえる漫画を描いていきたいです。
1ページ目のヒロインの表情からして面白かったです。キャラクターも展開も「なんだそりゃ」ということの連続なのに、最終的になぜか納得感をもたせて描き切っているのがすごい。迷わず、自信をもって描けているからでしょう！
安野先生にコメント頂けて表情筋が豊かになり、ここ最近、頻繁にニヤついています。受賞嬉しいです。次は連載狙います！
着物や刀の描写、小道具や背景が本当によく描けています。淡々として見える主人公の業の深さも、上手く醸し出せている。全体の完成度が高いです。次は、作者自身のオリジナリティを意識した作品に挑戦してみてほしいです。
この度はありがとうございます。今後も精進を重ねていこうと決意しました。年々漫画を描くことを楽しく感じています。
主人公たちの背景が全部は説明されないのに、会話の端々から想像することができます。キャラクターのイメージと物語の着地点をはっきり決められているからでしょう。考えが異なるタイプの人物もきちんと描き分けられていました。
何より読んでもらえたことが嬉しいです。描いてみて初めて分かったことも多かったので、今後の経験として表現に活かしていきたいと思います。
主人公と母親の関係性は重いのだが、それを見事に生かす最後の母親からの遺書。親から子への愛情が伝わってきて、母親というサブキャラクターを主人公を追い込むだけの役割に留めず、魅力的に描けています。
準入選ありがとうございます。餃子は柚子胡椒派の檜原粗相です、よろしくお願いします。ウチの実家の猫と母親は元気です。
自分の『好き』をより誰かに伝わるように作品を作っていきたいと思います。
懇切丁寧に評価していただき、本当にありがとうございます。これから一層頑張ります。
誰かの本棚にずっと残り続けていくような作品を描けるよう頑張っていきます。
映画キングオブコメディみたいな「痛い大人」を描いてみました。受賞嬉しいです！
この度は賞を頂けて嬉しいです。これからも、自分の好きな漫画を描き続けたいと思います。
入賞嬉しく思います。今後は人の感情が内側から漏れ出てくるような作品を描きたいです。
この漫画を描くキッカケとなった、蛾と友人家族とそのお家に感謝します。
佳作入賞ありがとうございました。今回の反省を活かし、今後も努力致します。
彼らの人生のほんの一部をお届けできたならば幸いです。
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