総評

選考委員・森薫氏（『エマ』『乙嫁語り』）

実は新人賞の選考委員として、このようにたくさんの作品を読んだのは初めてのことでした。
新人さんなのに、すでに連載レベルに到達している上手い方が多かった印象。
作品の傾向は真面目な物語が多くて、ギャグやコメディが少なかったです。
新人賞だと真面目な物語にしたくなるのかもしれません。
だからこそ少しでもコメディ風味があるものは印象に残りました。
やっぱり漫画って面白おかしいものですから、どんな真面目な作品にもコメディ要素があるといいですね。

編集長総評

「見開きは時間を止めるもの」「美少女を描くときは髪と目が大事」「恐怖と共存できるものは美」――いずれも森薫さんが選考会で仰った言葉です。
森さんに選考委員をお引き受け頂き、本当によかったと選考会の間中感激しておりました。
初めて聞く刺激的なフレーズのなんと多いこと！　森さんありがとうございました。
初めてと言えば、今回大賞を受賞した嵐山のりさんは受賞作『ふしぎの国の私』を投稿後に『魔王の帰還』のコミカライズ話が浮上し、選考途中で連載決定、連載開始という初の事態に。
『魔王の帰還』と受賞作を併せてお読み頂ければ、たった数ヵ月の間に嵐山さんに去来した劇的な変化の一端をお感じ頂けると思います。ぜひどうぞ。